日本では、江戸時代までは漢方治療が主体で、医師による薬の調剤が定着していいました。しかし、 明治時代、西欧先進国に様々な制度を学ぶなか、すでにドイツで採用されていた医薬分業に倣い制度を取り入れました。ただし、当時は薬剤師や薬舗が不足しており引き続き医師による調剤が認められており、医薬分業が実態として進むことはありませんでした。こうした状況が大きく変化したのが、1974年(昭和49年)の診療報酬改定で、この結果、医薬分業は実態として進むこととなりました。
医薬分業率は、40年かかり約7割 まで上昇してきました。医薬分業の最大の狙いは、医師と薬剤師が独立の立場からそれぞれの機能を発揮して、患者の安全 性を確保することです。薬剤師は薬学的見地から医師の処方箋を確認し、ミス等を防ぐと同時に、 患者の薬歴を確認し、副作用などが出ないように指導することが重要です。もう一つの狙いは、い わゆる「薬漬け医療」「薬の過剰投与」の防止です。専門の知識や技能を生かして皆様の要望にきちんとお応えできること、提供できるサービスが皆様のお役に立ち十分に評価、支持されることが求められています。しかし高い水準の技術を習得し、365日いつでもサービスを提供できる体制を、地域の薬局が単独で実施することは容易ではありません。八千代市内のそれぞれの薬局が市民に信頼される「かかりつけ薬局」となれることを目指して、八千代市薬剤センターはその要としての役割を担っています。
私ども八千代市薬剤センターは、2006年10月から運営を開始し、特定非営利活動法人やちやくと八千代市薬業協同組合に、(一般社団法人)八千代市薬剤師会が委託して共同事業として行っております。市内の会員薬局がそれぞれの個性を充分にはっきできるように、時代の変化に即した薬剤師のスキルアップ研修と、次世代の薬剤師を育成する為の薬学生実務実習を行い、365日調剤受付、おくすり相談、かかりつけ薬局案内、災害時の医薬品備蓄等の活動で市内外の薬局を支援し、地域医療に貢献することを目的としております。
皆様のご理解・ご支援のもと、くすりを正しく安全に使用して健やかな生活をおくれますように、私たちはこれからも「安心と信頼」を皆様と一緒に築きあげて行けるよう努めてまいります。
NPO やちやく
理事長・薬剤師 秋吉 恵蔵