会長挨拶

令和4年6月より八千代市薬剤師会の会長に就任しました小川と申します。私は薬剤師として業務を行って約40年が経ちますが、近年の薬剤師、薬局が置かれた環境は大きく変化してきています。30年前に八千代市に開業した当初は大変少なかった処方箋発行率も70%を超えるようになり、今や受診すれば処方箋をもらって調剤した薬を受け取るのがあたり前になりました。市内の薬局数もかなり増え少しずつではありますがかかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師を持たれる方も増えてきていると思われます。また全国的に展開したおくすり手帳の利用は、どの医療機関でも受診時に提示を求められ活用されるまでに普及しました。しかし市民の多くの方々には、「薬剤師は調剤してくすりを渡してくれる人」とだけ思われているのが現状です。薬剤師は法的に調剤業務が義務付けられていますが、その他にも医薬品(一般用医薬品を含む)を安定供給し適正使用を監視することや、医薬品を開発して申請、許可、市販後の調査に至るまでを管理する役目、身の回りの衛生管理を正しく行い社会全体への病気のまん延防止や健康維持に寄与する義務も負っています。つまりは医師、歯科医師とは異なる形で皆さんの健康管理のお手伝いができるのです。

受診しようかどうしようか迷うことはありませんか?もしくは受診しないでも治ると思ったことはあります?セルフメディケーションの考えは大切ですが、問題は自己治療の限界と専門家の診断、治療との違いをしっかり把握しておくことが重要です。薬局は気楽に相談のできる存在ですので、処方箋なしでも足を運んで頂きご自身の健康管理にぜひお役立て下さい。そのために私たちは顔が見える関係と皆さまからの信頼を獲得すべく様々な活動を行っております。

市民公開講座や健康フェア、市民イベントなど薬局の外へ出ての活動はコロナ禍の中にあっての感染防止を行って継続しておりますし、くすりの授業や薬物乱用防止教室などの活動も再開しております。

医療、介護、福祉関係者とは積極的に連携を強化し地域包括ケアシステムが円滑に機能するための一員として活躍できる存在でありたいと考えております。

近年増加している災害時には医薬品供給支援ができるようにモバイルファーマシー(災害時支援車両)を所有し被災後の医薬品供給に支障をきたさないように備えています。

また、当会は長年にわたり多くの薬学実習生を受け入れてきましたので、次世代へ引き継げる環境整備をさらに強化し多くの優秀な人材を八千代市に呼び込める努力も重ねて行ってまいります。さらには皆様が薬剤師の職能を正しく理解して頂くために、組織内に多くの若手を起用し組織改革と活性化が実現できる基盤づくりを私の任期内に目指しております。

薬局が昭和の頃の信頼を回復し平成、令和と培った多様性で、環境変化と社会の要望に応えるために八千代市薬剤師会がより良い進化をできますように、どうぞこれからも我々の活動にご理解、ご支援頂けますよう宜しくお願い致します。

令和4年6月24日
八千代市薬剤師会 会長 小川 敦